全国小学生キーボード検定サイト キーボー島アドベンチャー


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キーボー島マガジン

「キーボー島マガジン」では,子どもたちの活動の様子,指導のアイデア,成果などをお伝えしていきます。

編集・発行/キーボー島アドベンチャー事務局(スズキ教育ソフト内) 

 

 Vol.11
2004.4.09

「キーボー島アドベンチャー」2年目に寄せて

静岡大学情報学部・助教授

キーボー島島民会長

 堀田龍也 (ほりた たつや)
※ 所属は掲載時点のものです

 「キーボー島アドベンチャー」は,静岡大学情報学部の堀田龍也助教授をリーダーとして,堀田研究室・多くの現場の先生方・スズキ教育ソフトがプロジェクトを組んで開発しました。リニューアルオープンに際して,リーダーの堀田先生に,昨年度の成果と「キーボー島アドベンチャー」に託す思いを語っていただきます。
        
 

 

 

 サーバーメンテナンスを終え,「キーボー島アドベンチャー」の2年目がスタートしました。たくさんの先生方と子どもたちのご愛顧に,プロジェクトリーダーとして心より感謝しております。
 2003年の9月に正式スタートした1年目の「キーボー島アドベンチャー」には,7か月間で合計81,299名もの子どもたちが登録しました。プロジェクト立ち上げ時には,実は私たちの目標は10,000人の子どもたちに使ってもらうことでした。期待値をはるかに超えたご利用をいただいたことをうれしく思うと同時に,たくさんの子どもたちと,その担任の先生方にプロジェクトの主旨をご理解いただけたことをありがたく思っております。また,一時期アクセス集中により,回線速度によってはたいへん使いにくい状況になりましたことをここにお詫びする次第です。

1.「キーボー島アドベンチャー」の効能 

 「キーボー島アドベンチャー」は子どもたちに確実にスキルを与えました。「キーボー島アドベンチャー」に取り組んだ子どもたちの多くは,キーボード入力ができるようになり,それによって自信を持ちました。また,授業場面でもキーボード入力スキルを生かすことができ,発表資料を短い時間で作成することができるようになったりしています。
  実はこの成果に一番驚いたのは先生方のようです。事務局には,「キーボー島アドベンチャー」で子どもたちに力がついたこと,授業が楽になったこと,子どもたちが生き生きしたこと,これまでコンピュータを使った学習に懐疑的だった先生方にも納得してもらえるようになったことなど,うれしい報告がいくつも寄せられました。
 まずは使ってみる。そして子どもたちに力が付く。その成果は他の授業で生かされる。「いいものはいい」と認めていただく望ましいサイクルだと思います。


2.「キーボー島アドベンチャー」でも事件が起こった


 「キーボー島アドベンチャー」には,子どもたちが書き込むための「みんなの掲示板」が用意されています。身につけたキーボード入力スキルを発揮してもらうためです。
 「みんなの掲示板」へは1日平均およそ330通の書き込みが寄せられました(書き込み数は日を追って増え,今年になってからは1,000通を超える日もありました−−事務局注)。その書き込みの多くは,お互いを励まし合うメッセージでしたが,残念ながら心の育っていない書き込みもいくつかありました。多くの教育用の掲示板では,このような時は掲示板を廃止します。あるいは,このような可能性が起こるからという理由で,最初から掲示板を設置しません。
 「みんなの掲示板」では,そのような措置は執りませんでした。まず,誹謗中傷や個人情報などのあまりに不適切な書き込みについては,子どもからはこれを見えないようにした上で,担任の先生に状況をお知らせするメールをお送りしました。しかし,このケースはそう多くはありません。多くのケースは,「そっと見守る」という方法をとりました。もちろん,担任の先生にはメールで状況報告をしています。担任と事務局がすべての書き込みを常時見ていますので,まさに「見守って」いたわけです。すると,子どもたちの中から「こんな書き込みはやめようよ」という声が上がりました。次第にこの声は大きくなり,みんなの大切な掲示板はみんなで仲良く使おうという運動が起こりました。

 私は,これこそが教育的な掲示板であると考えています。ケガをするから運動場で遊ばせないのではなく,大人が危険がないかを見守る中で,多少のすり傷は笑い飛ばせるような強さを持たせたい。「キーボー島アドベンチャー」では,情報社会を生き抜く子どもたちに,このような姿勢で接してきました。
 最後になりましたが,家庭からの利用がたいへん多いこともアクセス記録からわかりました。また,先生たちがこまめに子どもたちの学習進捗状況を把握しているクラスほど,子どもたちのスキル獲得は早い傾向がありました。同じシステムを使っていても成長に差があるのは,運用形態の違いによるものだということになります。まさに先生方の役割がここにあると言えます。

 リニューアルオープンした「キーボー島アドベンチャー」。私たちと一緒に,子どもたちに情報社会を生き抜く力と自信を与えていくようがんばりましょう。

 

 

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