全国小学生キーボード検定サイト キーボー島アドベンチャー


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キーボー島マガジン

「キーボー島マガジン」では,子どもたちの活動の様子,指導のアイデア,成果などをお伝えしていきます。

編集・発行/キーボー島アドベンチャー事務局(スズキ教育ソフト内) 

 

 Vol.2
2003.9.20

情報教育とキーボード入力

滋賀県 大津市立瀬田小学校教諭 石原 一彦 (いしはら かずひこ)
※ 所属は掲載時点のものです

 「キーボー島アドベンチャー」に参加されている先生,子どもたちの反応はいかがでしょうか。今号は,「キーボー島アドベンチャー」の企画発案者のおひとりである,石原一彦先生に登場していただきます。石原先生にはモニター校として,オープン前から実践に取り組んでいただきました。今回は,「キーボー島アドベンチャー」に取り組んだ子どもたちの声をもとに,このサイトでの取り組みを情報教育にどう生かしていくのか,紹介していただきます。

 

子どもたちは,文字入力がうまくなることを望んでいます。

 私が勤務しています大津市立瀬田小学校は今年の6月よりモニター校として,4年生以上の子どもたちが「キーボー島アドベンチャー」に参加しました。モニター期間が終了した1学期の末に,次のようなアンケートを実施しました。
 「あなたは友だちのどのような姿を見て,『すごい』と思いますか?」
 その答えをまとめたものが,次のグラフです。

 あなたは友だちのどのようなところを見て『すごい』と思いますか?

 
 このグラフから,多くの子どもたちは文字を速く入力したり,キーボードを見ずに(タッチタイプで)入力したりする友だちの姿に「すごい」と思っていることが分かります。また,このことから,子どもたちは文字入力のスキルを自分も身に付けたいと強く望んでいることも分かります。
 なぜ文字入力のスキルの方が,プレゼンの作成や表計算ソフト,サーチエンジンの利用などよりも「すごい」のでしょう。それは,文字入力のスキルが一種の運動技能であるからだと思います。文字入力もなわ跳びや鉄棒などと同じように「やり方が分かっている」のと,「できる」のとでは大きなちがいがあります。ソフトの使い方は,経験があると自然に身に付いていきます。文字入力も練習すればある程度速くなります。しかし,自己流で練習すると限界がすぐやって来ます。特にタッチタイプの習得は正しいメソッドに従わないとうまく習得できません。つまり文字入力のスキルは,環境さえ用意すれば自然に身に付くものではなく,明示的な指導をしない限り身に付かない技能なのです。多くの児童が文字入力のスキルの高い児童を「すごい」と思うのは,逆に言えば正しい訓練を受けている児童が少ないからだとも言えるでしょう。
 「キーボー島アドベンチャー」では,随所にタッチタイプの正しい習得のできる場面が用意されています。このサイトを利用することで,子どもたちに正しい入力メソッドを習得させるためのヒントや工夫をたくさん知ることができます。ぜひ,全国の小学校でこのサイトを使っていただいて,児童に正しい文字入力のスキルを身に付けさせて欲しいと思います。日本の情報教育は,日本語入力の壁を乗り越入力風景えて初めて世界の土俵に登ることができます。逆に,この壁を乗り越えないと,小学校の情報教育がお絵描きで終わってしまうことになるのです。
 また,自分でもすごいと思える文字入力のスキルが身に付くと,自分はコンピュータを使うのが得意である,という自信を持つことができます。情報教育の学習を進める上で,「自分はコンピュータが得意だ」という自信は何より大切です。キーボードを使って正しくしかも素早く文字を入力できるスキルを身に付けることは,技能の面からも意欲の面からも,共に情報教育の基盤となる力なのです。

ただ楽しいだけではなく,スキルが身に付き,しかも自分で実感できることが大切

 「キーボー島アドベンチャー」は30級までの各級にキャラクターを設定し,そのキャラクターと戦って勝利すると次の級に進めるようになっています。一種のRPG(ロールプレイングゲーム)のような構成で,ゲームのように進んでいくと文字入力のスキルが身に付いていきます。ただ単に楽しいだけでは子どもたちはすぐに飽きてしまいます。そこで自分が何を獲得したのか,何を得たのか実感を持つことが大切です。「キーボー島アドベンチャー」は小学校の高学年の児童が45分で800字以上をすらすら入力できることを最終的な目標に設定して,進級するにしたがって自然に文字入力のスキルが身に付くようになっています。30級までのスモールステップが刻んであり,段階を追って文字入力のスキルを学んでいくことができ,自分のペースにあわせて学習を進めることができます。
 「『キーボー島アドベンチャー』はどのようなところがおもしろかったですか?」という子どもたちへのアンケートでも,「キャラクタがあるから」や「ゲームのようだから」という回答に加えて,「30級に分かれていて勉強しやすいから」や「自分のペースで学習できるから」といった回答も多くありました。自分の伸びを自分自身で確かめながら練習できるのも,水泳やなわ跳びの練習とよく似ています。

「キーボー島アドベンチャー」は情報教育の最初の一歩として最適なコンテンツ

 「『キーボー島アドベンチャー』ではどのようなことを学びましたか?」という問いに対して,子どもたちの回答をまとめたのが次のグラフです。

『キーボー島アドベンチャー』ではどのようなことを学びましたか?

 このグラフを見ると,当然,文字入力のスキルが身に付いたことを多くあげていますが,「コンピュータの使い方が分かった」とか「パスワードの大切さが分かった」など,文字入力以外の部分でも比較的多くの回答がありました。つまり,「キーボー島アドベンチャー」は文字入力のスキルを高めるサイトではあるけれども,コンピュータの操作に慣れたり,パスワードの大切さを学んだりと,情報教育の入門サイトとしての機能を備えています。また,児童が交流を広げるための掲示板や,掲示板を利用する上でのモラルの指導も用意されています。今まで情報教育をしてみたいが何から始めればよいかよく分からないという学校にとって,情報教育の最初の一歩として取り組むのにちょうど適したサイトでもあるのです。
 

 

 

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